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ネイルケア [nail care]

手、足の爪の長さ、表面を整えてあま皮(爪上皮*)を処理し、手、足にうるおいを与えるマッサージの後、ネイルエナメルなどで爪に美しく彩りを与える技術の総称.たんに爪にネイルエナメルを塗るだけでなく、手、足および爪の健康を保つことを目的とする.
爪のトラブル
爪は表皮の一部が角化したもので、主成分は髪の毛と同様に硬質タンパク質(ケラチン)である.7〜14%の水分と微量の油分を含んでおり、このバランスが保たれているとき、爪はつややかで美しく健康な状態であるといえる.ところが、爪は想像以上にデリケートであり、ネイルエナメルの溶剤によって油分が失われたり、本人の健康状態が思わしくなかったりしてバランスが崩れたとき、爪はもろくなり、亀裂を生じたり割れたりする.そこで、こういったトラブルに遭わないよう、日常的にケアすることが必要である.(→爪)
実際
手のケアをマニキュアといい、足のケアをペディキュアという.過去にはネイルエナメルと同様に、爪の乾燥防止やコンディショニングを目的としてネイルクリームといったものが使用されていた.しかし、最近では、ネイルケアは日常のファッションとして一般化し、ネイルエナメルを何色も使ってカラフルに色づけしたり、ネイルジュエリー、ネイルシール、ネイルペインティング、つけ爪、エクステンションなどの多種多様な製品も発売されて、個性的な装飾(ネイルアート)手段として楽しまれるようになった.
ネイルサロン
近年、ネイルケアを専門的に行うネイルサロンが登場し、市場をにぎわせている.手軽にネイルアートのみを行うものから、本格的な手指のリラクセーション、マッサージに始まり爪のカット、整形、装飾など数多くの施術メニューを用意しているところもあり、その内容に応じて料金が設定されている.また、ヘアサロンの中にネイルケアコーナーを併設した美容院も登場し、文字どおり頭の先から爪の先までトータルで美しくなりたいという女性のニーズに応えている.また、最近では女性だけでなく、男性の姿も見かけるようになった.営業やホテルのフロントクルーなど、いわゆる顔や指先を積極的に人前にさらし、見た目の印象が重要視される仕事に就いている人が多い.もちろん、彼らの場合は女性と違ってネイルエナメルでカラフルに指先を彩るというわけではなく、爪の形を整え、つややかで美しい指先で、接した相手に不快感を与えないようにすることが目的である.女性が“見られる自分”の満足のためにネイルサロンに足を運ぶのに対して、男性はまず“見る相手”の気持ちを意識しているところがおもしろい.
将来
ファッションステイタスとしての爪の役割は今後も変わらないことが予想されるので、ネイルエナメルやネイルアートを中心とした、いわゆる見せ方がネイルケアの主流になるだろう.しかし、爪も生きて成長している以上、そのヘルスケアも同様に重要である.いたずらに爪を痛めつけるばかりではなく、入浴中、爪が軟らかくなったところでマッサージをして血行を高め、爪母*(そうぼ)に十分な栄養補給を行うことが望ましい.そしてその後さらに、ネイルクリーム、ネイルトリートメントで爪の乾燥防止を行えば万全である.(南孝司)

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