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皮紋 [dermatoglyphics]

皮膚表面には縦横に走る溝(皮溝)とそれらによって区切られ、盛り上がった皮丘が認められる.この皮溝と皮丘で織りなされた紋様を皮紋、あるいは皮膚紋理(ひふもんり)とよぶ.皮紋の形態は加齢や肌荒れによって大きく変化する.若年者ではこの皮紋はきわめて細かく、皮丘、皮溝の凹凸が明瞭で皮丘の形状が整っており、肌にち密な質感を与えている.その皮丘、皮溝の凹凸は加齢とともに浅く不鮮明になり、また毛穴が大きくなる傾向があることも加わって、きめの粗いざらざらした質感へと変化する.皮紋がつくられるメカニズムはまだ不明な点が多いが、加齢に伴い真皮乳頭層が平坦化することとなんらかの関係があると考えられている.手掌または足底の皮膚における皮紋では隆線状の特徴的なもので、これらを指紋、掌紋、足紋(足底紋)という.また、ヒトの手の場合、指の末節には渦状紋、蹄状紋、弓状紋の3種類の指紋がある.(松永由紀子)

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