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リップケア [lip care、 lip treatment]

は皮膚に比べ、荒れやすい部位であるため、荒れた唇に対しては適切なケアを施す必要がある.唇のケア方法には大きく2通り考えられる.一つは唇表面を保護すること、もう一つは唇内部の保湿効果を高めることである.唇の保護唇には汗腺(エクリン汗腺)を欠き、天然保湿因子(NMF)が少なく、皮脂膜がない(→総論8.1節).つまり、皮膚のような天然の保護膜がない.また角層が薄いことから、外部からの刺激を受けやすく水分が蒸散しやすいため、唇表面を保護することが重要である.保護方法としては油分を唇に与える.リップクリーム口紅などの油分によって水分蒸散を遮断することがもっとも効果的である.またこの方法は、唇にうるおいを与えると同時に、冷たく乾燥した外気から唇を保護する役割を果たしている.また、メラニン色素が少ない唇は紫外線に対する防御が弱く、乾燥しやすい.そのため、紫外線量が多い季節、レジャーなどでは、紫外線防御力をもったリップ化粧品の使用が望ましい.唇の保湿唇内部の保湿効果を高める方法として、近年、乾燥を防ぐ目的で保湿性、吸湿性に優れた油性基剤の開発や、水や水系の保湿剤配合技術が高まり、トリートメント性を高めたリップ化粧品が開発されている.また、荒れている唇は角層の落屑*(らくせつ)がうまく調節されていないという報告があることから、落屑調節にアプローチしたケア方法を活用することも効果的である.(引間理恵)

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