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臨界ミセル濃度 [critical micellar concentration]

ミセルが形成される濃度のこと.cmcと略記され、ミセル形成濃度ともいう.親水性の界面活性剤を水に溶解していくと、濃度が非常に低いときは一つ一つの分子がばらばらに溶けている(分子溶解*)が、ある濃度になると親油基を互いに向け合った球状の会合体(ミセル)を形成する.cmc以上の濃度になると界面活性剤の独特の性能である乳化可溶化分散、湿潤、洗浄などが生じる.ミセル1個を形成している分子の数は通常数十〜百数十分子であり、これをミセル会合数という.cmc以上で界面活性剤濃度をさらに高めていくと、ミセルの数が増加するが、ミセル会合数は増えない.さらに界面活性剤の濃度を高めると、やがて会合数が増えて棒状や板状のミセルとなり、それ以上の高濃度では液晶が形成される.(鈴木敏幸)

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