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エンドセリン [endothelin]

血管内皮細胞が産生する血管収縮作用を有するペプチド.その収縮作用は強力で、ほとんどすべての動脈、静脈血管に作用するが、1988年にエンドセリンが発見されるまでに知られていた血管収縮物質と比べ、きわめて低濃度(EC50=1 nM以下)から作用することがわかった.アミノ酸21残基よりなり、3種のイソペプチド(エンドセリン-1、エンドセリン-2、エンドセリン-3)が存在し、さまざまな組織において種々の割合でこれらが生産されている.ヒトにおいてエンドセリンの共通の生合成経路は、前駆体であるプレプロエンドセリンが塩基性アミノ酸対切断酵素によって中間産物であるビッグエンドセリンへ変換され、さらにこのビッグエンドセリンがエンドセリン変換酵素に触媒されてエンドセリンになる.ヒトケラチノサイト(表皮角化細胞)の培養液に紫外線を照射すると、ヒトメラノサイトを増殖させてメラニン合成を促進させる因子が発現するが、その一つがエンドセリン-1、エンドセリン-2である.エンドセリンがメラノサイトに作用すると、細胞内のカルシウム濃度が上昇してプロテインキナーゼC系が活性化され、メラノサイトの増殖につながる.また、メラノサイト細胞膜上にエンドセリンに対するレセプターが存在することが明らかにされた.紫外線照射によってヒトケラチノサイトからインターロイキン(IL)-1aが多量に分泌され、そのIL-1aが自分(ヒトケラチノサイト)に作用しエンドセリン分泌を促進するという(図).(八木栄一郎)

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