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細胞外マトリックス [extracellular matrix]

細胞間物質、細胞外基質、あるいはたんにマトリックスともよばれる.生体組織において細胞間隙に存在し、網目構造、ゲル状を呈したタンパク質と糖質からなる複雑な不溶性の高分子会合体のこと.ECMと略記される.構成成分の化学的特徴からコラーゲンプロテオグリカン、フィブロネクチンやラミニンを典型とする糖タンパク質、およびエラスチンヒアルロン酸などこれらに含まれない物質の四つに大きく分けられる.細胞外マトリックスは、細胞により合成され、あるいは分解されるなど生化学的な代謝作用を受けるだけではなく、マトリックス構築の編成においても細胞からの影響を受ける.以前はたんにからだを支持する構造物質であると考えられていたが、現在では細胞が正常な代謝、維持を行うために不可欠なものと考えられ、細胞の代謝、形態、増殖、分化、移動などのさまざまな活動に影響を与えるといった動的な役割を担うことが明らかにされている.(圷信子)

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