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シナモンバーク油 [cinnamon bark oil]

クスノキ科のシナモン(Cinnamomum zeylanicum Nees)の樹皮から水蒸気蒸留法で得られる精油.桂皮(けいひ)油ともいう.シナモンは、もっとも古くから知られている香料植物の一つで、現在でも主産地であるスリランカではかつて、このシナモンをめぐって欧州諸国による激しい領土争いが繰り広げられた.現地では、樹皮を乾燥させて半環状あるいは円筒形になったものを一定の大きさに裁断して出荷している.おもな香気成分はシンナムアルデヒドで、65〜75%ほど含まれている.オリエンタル調の香りにアクセントとして用いられるほか、コーラ飲料を代表とする食品香料(フレーバー)にも用いられる.また、葉や小枝を水蒸気蒸留して得るシナモンリーフ油は、オイゲノールを80%以上含有するためクローブ油に近い香気をもつ.なお、近縁の植物にチャイニーズシナモンともよばれるカッシャがあるが、その香気は辛味や薬臭さがやや強く、シナモンバークに比べて劣るとされている.(小笠原俊彦)

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