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分子集合体 [molecular assembly]

分子内に親水基親油基(疎水基)をあわせもつ両親媒性分子は自己組織性を有し、水(あるいは油)中で特定の形状や構造をもつ会合体、つまり分子集合体を形成する.分子集合体には会合数が有限(通常百数十分子程度)のミセルや逆ミセル、無限会合体の液晶ラメラ液晶が同心球状に閉じて分散したマルチラメラベシクル、内側がからとなった球状に閉じた二分子膜の小胞体であるベシクルなどがある.両親媒性分子が水中に存在する場合、一つ一つばらばらに溶解するよりも、親油基どうしを集合させて溶解する(水分子と親油基の接触を小さくする)ほうが、系全体がエネルギー的に有利となるため、自己組織化は自然と進む.すなわち、水どうしの強い凝集力により、親油基どうしがあたかも引き合っているようにふるまう.これを疎水性相互作用という.(鈴木敏幸)

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