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高級アルコール [higher alcohol]
アルコール類のうち、炭素数の多いもの(炭素数6以上の1価アルコール)のこと.逆に炭素数の少ないものを低級アルコールとよんでいる.高級アルコールの種類は多く、セタノール(セチルアルコール)、ステアリルアルコール、オレイルアルコールなどの天然アルコール、すなわち炭素数が偶数で直鎖、油脂または脂肪酸エステルを還元して得られる還元アルコール、ろう類をけん化分解して得られる分解アルコールなどがあり、また、イソステアリルアルコールなど炭素数が奇数・偶数で分岐鎖・直鎖、石油化学製品を原料として得られる合成アルコールがある.コレステロール、シトステロール、スチグマステロールなどの環状高級アルコールも天然の高級アルコールに属する(表).高級アルコール類は、高級脂肪酸類とともに古くから用いられている重要な油性原料の一つであり、炭化水素、油脂、ろう、脂肪酸、エステル、シリコーン油などと併用されるほか、各種脂肪酸とのエステル類の原料としても使用される.また、乳液、クリームなどの乳化製品における乳化助剤や粘度を高める粘度調整剤としても広く用いられ、さらに界面活性剤の原料としても多量に消費されている.(小出倫正)