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顆粒層 [granular layer、 stratum granulosum]

ケラチノサイト(表皮角化細胞)が有棘(ゆうきょく)層*からさらに分化した層のこと.細胞は扁平となり、細胞質中には好塩基性の小顆粒、ケラトヒアリン顆粒が出現してくる.細胞膜は肥厚しはじめ、ケラチンは束上に集まって太くなり、これにケラトヒアリンが付着したような構造をつくってくる.また、層板顆粒(オドラント小体)は豊富になり、核や細胞内小器官は消失し始める.ケラトヒアリン顆粒顆粒という名前がついているが、電子顕微鏡観察によれば、周囲には限界膜は認められず形も不定形で形態的には顆粒にはあたらない.ケラトヒアリン顆粒の主成分はフィラグリンとよばれるタンパク質で、前駆体のプロフィラグリンは十数個のフィラグリン単位が数珠つなぎになった、分子量約40万の巨大な分子として合成される.このプロフィラグリンは合成されるやただちにリン酸化されてケラトヒアリン顆粒に局在するようになる.そして角化の最終過程である角層への移行時に脱リン酸化され、プロテアーゼによりフィラグリン単位へと加水分解を受ける.この過程で、フィラグリンはケラチン線維との親和性を獲得し、ケラチンを凝集させることにより、角層の内部構造体であるケラチンパターンを形成する.細胞膜の肥厚ケラチノサイトの細胞膜は分化とともに劇的な変化を遂げ、顆粒細胞では肥厚した周辺帯を形成する.これはコーニファイドエンベロープ(CE)とよばれ、膜タンパクにいくつかの基質タンパクが結合することによってつくられる.これを触媒するのが、トランスグルタミナーゼであり、基質タンパクには、ロリクリンインボルクリン、シスタチンなどが知られている.これらのタンパクが膜を内側から補強することにより、最終産物である角層細胞を物理的、化学的刺激に対して非常に強いものにしている.(日比野利彦)

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